東京横浜電鉄自動車部

提供: 下北沢百科

東京横浜電鉄株式会社自動車部は、東京横浜電鉄の自動車部門である。東横乗合自動車を合併し、後に玉川電鉄との合併時には玉川乗合の路線も吸収した。

経緯

  • 昭和二年(1927年)12月28日、東京横浜電鉄の事業目的に「自動車による一般運輸業」を追加。
  • 昭和四年(1929年)
    • 3月17日、東横電鉄が神奈川自動車合名会社の東神奈川~川和間、東神奈川~綱島間の乗合業を譲り受けて開業。
    • 4月18日、新太田町に貸切自動車業を開始。
    • 5月30日、東横タクシー株式会社を新設し、東神奈川~綱島間、および新太田町貸切自動車業を譲渡。
    • 6月25日、中目黒線(目黒大橋~大鳥神社間)を開業。
    • 9月25日、中目黒線を東横乗合自動車株式会社に譲渡。
  • 昭和八年(1933年)6月1日、東横タクシー株式会社から乗合自動車を本社に移す。
  • 昭和十一年(1936年)
    • 6月1日、東横タクシー株式会社、大正自動車株式会社を東横自動車株式会社に合併。
    • 11月、自動車課を新設。東横乗合自動車を合併して自動車部となる。
  • 昭和十二年(1937年)6月1日、日本興業(山手バス)の渋谷駅南口~赤十字病院前間などの路線を譲渡される。
  • 昭和十三年(1938年)4月1日、東京横浜電鉄が玉川電気鉄道を合併し、玉川乗合の路線を継承する。
  • 昭和十四年(1939年)10月、目黒蒲田電鉄が東京横浜鉄道を合併し、さらに東京横浜電鉄に改称する。
  • 昭和十六年(1941年)7月15日、鉄道・内務両大臣より、陸上交通事業調整法第二条第二項の規定により、東横電鉄所属の旅客自動車運輸事業のうち、国有鉄道山手線より東を東京市に譲渡するよう命令。
  • 昭和十七年(1942年)
    • 2月1日、目黒営業所・中延営業所・ヱビス営業所・芝浦営業所の該当路線を東京市に譲渡。
    • 5月1日、京浜電気鉄道・小田急電鉄を合併し、東京急行電鉄に改称。両社のバス事業も継承する。同日、城南乗合自動車のバス事業も吸収した。

これ以降の経緯は東京急行電鉄株式会社自動車部を参照のこと。

昭和十五年時点の状況

『東京横浜電鉄沿革史』には昭和十五年11月30日現在の「乗合自動車路線一覧表」が掲載されている[1]。そのうち、下北沢地域周辺に関連する営業所の路線を抜粋すると以下のとおり。

営業所名及所在地 所属路線区間 粁数 備考
代々木営業所
(渋谷区代々木本町761)
渋谷駅前~東北沢駅前 3.13 1.代々木乗合
2.東横乗合
3.旧東横電鉄
大向~角筈 3.13
6.26
中野営業所
(中野区本郷通三丁目698)
中野駅前~東北沢駅前 5.90 1.東横乗合
2.旧東横電鉄
川島町(千代田町経由)~鍋屋横丁 1.47 1.代々木乗合
2.東横乗合
3.旧東横電鉄
十貫坂上~大宮八幡 2.89
東京高等学校前~大宮小学校 2.51
12.77
世田谷営業所
(世田谷区世田谷四丁目457)
渋谷駅前~溝ノ口 11.80 1.玉川電鉄
2.旧東横電鉄
駒沢~玉川警察署前 2.10
三軒茶屋~調布 12.30 1.八木哲
2.玉川電鉄
3.旧東横電鉄
渋谷駅前~比丘橋 1.10 1.玉川電鉄
2.旧東横電鉄
27.30
淡島営業所
(世田谷区下代田210)
上通四丁目~恵泉女学院前 6.30 1.日東乗合
2.旧玉川電鉄
3.旧東横電鉄
第一荏原小学校前~中原口 1.30 1.玉川電鉄
3.旧東横電鉄
7.60

このほか、ヱビス営業所、不動前営業所、大正営業所、神奈川営業所、小杉営業所、池上営業所、中延営業所、神明営業所、大森営業所、目黒営業所、芝浦営業所があった。

  1. 東京急行電鉄株式会社 編『東京横浜電鉄沿革史』(東京急行電鉄、昭和十八年)pp621-626。東横電鉄が「旧」と書かれているのは、東京急行電鉄に変わった後の資料だからである。